2007 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体におけるMHCクラスI提示抗原のN末端トリミング過程の分子メカニズム解析
Project/Area Number |
18790077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 明 Kyoto University, 薬学研究科, 准教授 (50300893)
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Keywords | 小胞体アミノペプチダーゼ / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ / MHCクラスI抗原ペプチド / インターフェロンーγ / 部位特異的変異導入法 / 活性発現メカニズム |
Research Abstract |
前年度までの解析において、小胞体アミノペプチダーゼA-LAPの結合タンパク質として機能未知の小胞体内腔タンパク質であるStromal cell-derived factor 2-like proteinl(SDF2-L1)/Anchor protein of ER aminopeptidases(AERA)の単離に成功した。そこで、本年度はSDF2-L1/AERAの免疫における役割について解析した。その結果、MHCクラスI分子への抗原提示に関与する多くのタンパク質の発現を亢進する抗ウイルスサイトカインであるインターフェロンーγが、SDF2-L1/AERAの発現を遺伝子レベルで抑制することが明らかとなった。その生理学的意義として、定常状態ではSDF2-L1/AERAがA-LAPの抗原ペプチドトリミングに対して抑制的に作用しており、ウイルス感染に伴って産生されたインターフェロン-γによりSDF2-L1/AERAの発現が抑制された結果、ウイルス感染細胞内での抗原生成量が増大するという、抗ウイルス作用の一端であることが考えられた。 また、部位特異的変異導入法によるA-LAPの活性発現メカニズムの解析を行った。その結果、181番目のグルタミン残基をグルタミン酸やアスパラギンなど他のアミノ酸残基に置換した変異体では、A-LAPのアミノペプチダーゼ活性の著しい低下が認められた。本結果から、181番グルタミンがA-LAP活性の発現に重要であることが明らかとなった。
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