2006 Fiscal Year Annual Research Report
ABCA1と相互作用する新規蛋白質のHDL形成における機能の解明
Project/Area Number |
18790078
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
奥平 桂一郎 国立医薬品食品衛生研究所, 代謝生化学部, 研究員 (10425671)
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Keywords | 脂質 / シグナル伝達 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
抗動脈硬化作用を持つHDLは、膜トランスポーターABCA1が細胞のコレステロールを細胞外に運び出すことで形成される。本研究では、新たに同定されたABCA1相互作用タンパク質であるGEF(guanine exchange factor)の、HDL形成における役割を明らかにすることを目的とした。本年度は主に培養細胞を用いた実験を行い、以下の知見を得た。 1.ABCA1-GEF細胞内相互作用の確認 FLAGタグを導入したABCA1 cDNAとmycタグを導入したGEF cDNAをトランスフェクトしたHEK293細胞を、TritonX-100を含むバッファーで可溶化し、FLAG抗体またはmyc抗体を用いた共免疫沈降を行い、ABCA1とGEFが細胞内で複合体を形成していることを確認した。 2.GEF発現操作した細胞のHDL形成の評価 ABCA1とGEFを共発現させた細胞において、ABCA1単独発現細胞と比較して、HDL形成の増加が観察された。また、変異型GEFを作成し、野生型と比較したところ、変異型でHDL形成の増加は抑制された。 3.GEF発現操作した細胞のABCA1発現量の評価 ABCA1と野生型GEFを共発現させた細胞において、ABCA1単独発現細胞と比較して、ABCA1の発現量は増加していた。また、変異型GEFではABCA1の増加は見られなかった。 以上の結果は、GEFがABCA1と相互作用してABCA1発現量を増加させ、HDL形成を促進している構図を示唆している。
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Research Products
(1 results)