2006 Fiscal Year Annual Research Report
klotho蛋白質の発現低下によるカルパインの異常活性化機構の解明
Project/Area Number |
18790079
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
萬谷 博 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (20321870)
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Keywords | klotho / calpain / 老化 / 糖鎖 |
Research Abstract |
klotho変異マウスは多彩な老化症状を呈することから、klotho遺伝子が老化の制御に深く関与していると考えられている。我々はこれまでに、klotho変異マウスの腎臓と肺におけるμ-calpainの異常活性化と、その内在性阻害物質であるcalpastatinの消失を明らかにし、μ-calpainによる細胞骨格系の分解が腎および肺障害の原因であることを示してきた。最近、klotho蛋白質にβ-グルクロニダーゼ活性があることが報告され、klotho蛋白質が糖分解酵素として機能している可能性が示唆された。しかし、klotho蛋白質の生体内における糖分解酵素としての具体的な作用点や基質に関してはほとんど分かっていない。私はこれまでに、klotho遺伝子の変異によって生じる糖鎖変化について検討し、klotho変異マウスの肺と腎臓で特異的に増加している糖鎖があることを明らかにしている。そこで、これらの異常糖鎖とklotho蛋白質の関係を明らかにするため、klotho蛋白質と異常糖鎖の相互作用について検討した。その結果、klotho蛋白質に異常糖鎖を分解する作用がある可能性が示された。このことから、異常糖鎖がklotho蛋白質の基質である可能性が考えられた。これらの異常糖鎖はμ-calpainの異常活性化が顕著な肺と腎臓で観察されることから、μ-calpainの活性制御やカルシウムホメオスタシスの制御に関与している可能性が考えられる。
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