2007 Fiscal Year Annual Research Report
klotho蛋白質の発現低下によるカルパインの異常活性化機構の解明
Project/Area Number |
18790079
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
萬谷 博 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 研究員 (20321870)
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Keywords | klotho / calpain / 老化 / 糖鎖 |
Research Abstract |
klotho変異マウスは多彩な老化症状を呈することから,klotho遺伝子が老化の制御に深く関与していると考えられている。我々はこれまでに,klotho変異マウスの腎臓と肺におけるμ-calpainの異常活性化と,その内在性阻害物質であるcalpastatinの消失を明らかにし,μ-calpainによる細胞骨格系の分解が腎および肺障害の原因であることを示してきた。最近,klotho蛋白質にβ-グルクロニダーゼ活性があることが報告され,klotho蛋白質が糖分解酵素として機能している可能性が示唆された。しかし,klotho蛋白質の生体内における糖分解酵素としての具体的な作用点や基質に関してはほとんど分かっていない。私はこれまでに,klotho遺伝子の変異によって生じる糖鎖変化について検討し,klotho変異マウスの肺と腎臓で特異的に増加している糖鎖があることを明らかにしている。異常糖鎖の蓄積はklothoタンパク質の欠損に起因することから,klotho蛋白質の機能との密接な関係が予想される。そこで本年度は肺に蓄積する異常糖鎖の構造解析を試みた。野生型とklothoマウス由来の糖鎖を比較した結果,糖分解酵素に対する感受性が異なる糖鎖が存在することが分かった。現在,klotho蛋白質との関係を明らかにするため,糖鎖構造の詳細な解析を行っている。
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