2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790083
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 聡 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助手 (60333621)
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Keywords | 構造に基づいた薬物設計 / Hsp90 / 抗癌剤 / 2量体 |
Research Abstract |
構造に基づいた薬物設計(Structure Based Drug Design,SBDD)を基盤として、複数の癌関連clientの機能発現タンパク質の機能と安定性を調節する分子シャペロンであるHsp90の阻害剤開発研究を行った。本年度はHsp90のダイナミクスならびに2量体形成に着目してN末端結合分子2量体およびC末端結合分子2量体の設計・合成を行い、ヒト乳癌細胞MCF-7に対する細胞増殖抑制効果を検討した。まず、最適なリンカーの長さを見出すべく、N末端ドメイン結合分子であるPU32分子をアルキルジアミンで連結した化合物を3種合成した。C末端ドメイン結合分子であるnovobiocinについても同様にして3種の2量体を合成した。また、Hsp90の2量化はC末端ドメインのα-ヘリックス間の疎水性相互作用が駆動力である。Hsp90C末端ドメインと元来のnovobiocinの抗菌活性の標的酵素であるDNA-gyraseのX線結晶構造を比較解析し、このα-ヘリックス近傍にはnovobiocinの結合部位が存在することを推測した。そこで、α-ヘリックスミミックとして機能することが知られている各種ビアリル基を導入した誘導体も合成した。 ヒト乳癌細胞MCF-7に対する細胞増殖抑制効果を検討したところ、ドデカンジアミンリンカーを有するPU3の2量体は、PU3の10倍の細胞増殖抑制活性を示すことが明らかとなった。現在更なるリンカー長・構造の最適化を行うと共に、その詳細な分子機構を検証すべく検討中である。
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Research Products
(4 results)