2006 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁酸誘導体のビタミンD受容体アゴニスト活性の構造生物学的解析
Project/Area Number |
18790085
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
増野 弘幸 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (80376714)
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Keywords | 核内受容体 / ビタミンD / 胆汁酸 / X線構造解析 |
Research Abstract |
抗がん剤,免疫疾患治療薬となりうるビタミンD受容体アゴニろトは,これまでに数多くの化合物が合成されているが,その大部分が天然リガンドである1,25(OH)_2D_3の誘導体である.私は弱いながらもVDRアゴニストとなるリトコール酸(LCA)に注目し,VDRのLCA認識メカニズムの解明とLCAをリードとした新規VDRリガンドの開発を目的として,(1)新規LCA誘導体の合成によるLCAのVDRに対する構造活性相関(2)X線結晶解析によるVDR-LCA複合体構造の解明の研究を行った. 新規LCA誘導体の合成については,これまでの研究結果から3位をアシル化した誘導体がVDR活性の上昇に有効であることがわかっている.本年度はアシル化とほぼ同様の効果があると考えられる3位置換体と脂溶性上昇による親和性の向上が期待できる24位修飾体の合成を計画し,3-カルボネート,メタンスルフォナートおよび24-ホモアナログ,24,24-ジホモアナログの合成に成功した.現在活性の測定に向けて準備中である.また来年度予定していた1,25(OH)_2D_3を模倣した化合物にっいても合成を開始した.X線結晶解析についてはLCA,3-keto LCA, LCA acetateについて複合体の結晶化と構造解析に成功した.その結果,分子モデリングでは判らなかった水を介したリガンドー受容体間の水素結合を明らかにした.この結果はLCAのVDR活性を上昇させるための有用な情報である.結晶構造の解明により合成を計画している化合物の設計が妥当なものであることも明らかになった.この結果については現在投稿準備中である.
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