2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNAウイルスを標的とした、ヌクレオシド類縁体型新規抗ウイルス薬の開発研究
Project/Area Number |
18790093
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
池尻 昌宏 徳島文理大学, 香川薬学部, 助手 (00412396)
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Keywords | ヌクレオシド / 抗ウイルス / SARS / C型肝炎 / HCV / RNAウイルス / 創薬 / 医薬化学 |
Research Abstract |
ヌクレオシド類縁体による、RNAウイルス(中でも、SARSコロナウイルスとC型肝炎ウイルス)を標的とした抗ウイルス剤の創薬研究において、下記に示す知見を得た。 1、抗SARSコロナウイルス薬の研究: 数十種のヌクレオシド類縁体を化学合成し、プラークリダクションアッセイ法、及びイールドリダクションアッセイ法を用いてそれらの抗SARSコロナウイルス活性を測定した結果、6-クロロプリンを核酸塩基に持つ2種の類縁体に活性が見られた。これらは、既存の抗SARSコロナウイルス剤であるリバビリンやミゾリビンと同程度、あるいはそれ以上の活性を示した。また、その内の1つの類縁体は、抗ウイルス活性に必要とされている5'-水酸基が安息香酸とのエステルになっており、化学構造上の観点からも興味深い知見となっている。 2、抗C型肝炎ウイルス(HCV)薬の研究: 抗SARS薬の研究で得られた知見(6-クロロプリン、5'-安息香酸エステル)を鍵部分構造とし、各種類縁体の化学合成、及びサブゲノムレプリコン細胞を用いた抗HCV活性の測定を行った結果、2'-デオキシリボフラノシル構造を持つ化合物に強いHCV-ウイルスゲノム増殖抑制作用が見られた。続いて、プリンの6位塩素原子、並びに5'-エステル部の安息香酸部位を他の置換基で置き換え、構造活性相関の検討を行ったところ、幾つかの類縁体でHCV-ウイルスゲノム増殖抑制作用が観測されたが、活性の大幅な向上は見られなかった。
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Research Products
(2 results)