2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン間相互作用をファーマコフォアとする次世代ビタミンD受容体リガンドの創製
Project/Area Number |
18790094
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
藤井 晋也 徳島文理大学, 香川薬学部, 助手 (60389179)
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Keywords | 有機化学 / 医薬化学 |
Research Abstract |
活性型ビタミンDの誘導体展開は、CD環部および側鎖のマイナーモディフィケーションを中心に行われてきた。本研究においては、ビタミンDのA環部に新規なイオン間相互作用を開拓することを主眼に、ビタミンD受容体リガンドの新しいファーマコフォアを開拓することを目的としている。当初の課題として、A環部への置換基導入の一環として、A環2位α位へのフルオロメチル基の導入を検討した。これまでの検討で、2位α位へのメチル基の導入は受容体への親和性を上昇させることが明らかになっているが、そのメチル基上にフッ素原子を導入することは、メチル基水素の酸性度を上昇させ、受容体側と新しい水素結合を形成する可能性を持つほか、受容体側鎖芳香環とのC-H/π型の相互作用を形成する可能性を含んでいる。目的化合物の合成について、パラジウムカップリング反応を用いたコンバージェント法でビタミンD骨格を合成することとした。中間体のA環シントンは安価で大量に供給可能なαグルコース由来原料を用い、立体選択的に2α相当位にヒドロキシメチル基を導入した。ヒドロキシメチル基をジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)等の求核的フッ素化剤を用いてフルオロメチル基に変換することを意図し、いくっかの合成ステップにおいてフッ素化反応を行った。その結果、パラジウムカップリングを行う直前の段階でフッ素化を行うことが望ましく、他の段階でのフッ素化条件は、転位反応等を引き起こすことを見出した。合成した2αフルオロメチルビタミンDは、天然型ビタミンD3と比較してごくわずか親和性の低下を示したが、これまで研究されてきた他の部位へのフッ素置換ビタミンDと異なり、天然型と相応の親和性を保持していた。より詳細な生理活性を今後検討する。
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Research Products
(1 results)