2007 Fiscal Year Annual Research Report
イオン間相互作用をファーマコフォアとする次世代ビタミンD受容体リガンドの創製
Project/Area Number |
18790094
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤井 晋也 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・疾患生命科学研究部, 特任助教 (60389179)
|
Keywords | 有機化学 / 医薬化学 |
Research Abstract |
活性型ビタミンDである1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(1α,25-(OH)_2VD_3)は、核内受容体スーパーファミリーに属するビタミンD受容体(VDR)を介した標的遺伝子の転写制御により、カルシウム代謝調節や細胞の分化誘導・増殖制御、免疫調整など多彩な生理作用を発現する。これまでに、骨、癌および免疫疾患等の治療薬開発を目的として多数のVDRリガンドが合成されているが、これまでの研究は、1α,25-(OH)_2VD_3の構造を修飾するものがほとんどである。本研究は、新しい極性相互作用を開拓することを主眼に、ビタミンD受容体リガンドの新しいファーマコフォアを開拓することを目的としている。今年度は、申請者らによってその有用性が示されているホウ素クラスター「カルボラン」を疎水性ファーマコフォアとして用い、骨格構造および極性基の位置・構造の異なる新規ビタミンD誘導体を種々設計した。目的化合物の合成は、市販のカルボランを原料とし、アルキル化反応等の種々の合成反応により達成した。合成化合物のビタミンD活性をヒト前骨髄球性白血病細胞HL-60に対する分化誘導能で評価したところ、新しい極性官能基を導入した誘導体では活性が減弱したが、新規骨格を有する誘導体で水酸基の位置を精査したもの、および水酸基周辺に官能基を導入した化合物の中にα,25-(OH)_2VD_3と同等程度の活性を有するものを見出した。新規骨格を有する高活性のビタミンD誘導体はほとんど報告されておらず、非常に画期的であり、ビタミンDの創薬化学に重要な知見を与えると考える。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article] Potent androgen antagonists based on carborane as a hydrophobic core structure2007
Author(s)
Fujii, S., Ohta, K., Goto, T., Hashimoto, Y., Suzuki, T., Ohta, S., Endo, Y.
-
Journal Title
Drugs of the Future 32 Suppl.A
Pages: 105-106
-
-
-
[Presentation] Potent androgen antagonists based on carborane as a hydrophobic core structure2007
Author(s)
Fujii, S., Ohta, K., Goto, T., Hashimoto, Y., Suzuki, T., Ohta, S., Endo, Y.
Organizer
6th AFMC International Medicinal Chemistry Symposium
Place of Presentation
Istanbul, Turkey
Year and Date
2007-07-10