2006 Fiscal Year Annual Research Report
核に局在する銅結合タンパク質の機能解析と核内銅輸送に関する研究
Project/Area Number |
18790103
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡邊 雅紀 日本大学, 薬学部, 助手 (60287670)
|
Keywords | 銅 / 銅結合タンパク質 / 核局在 / 銅輸送 |
Research Abstract |
微量栄養素である銅は、核内受容体であるレチノイン酸受容体を介した標的遺伝子の転写活性化に関与していることを明らかにしている。さらに、核内銅結合タンパク質として同定したp54^<nrb>/NonOが、レチノイン酸受容体の転写共役因子であることを明らかにした。平成18年度では、p54^<nrb>/NonOの銅結合性の詳細な解析と、タンパク質の機能発現における銅結合の意義について解析した。 recombinant p54^<nrb>/NonOを作製し、銅との結合性についてscatchard plotにより解析したところ、理論的な結合数(n)は2.54、結合定数(K)は0.136μMであった。また、マウス脳核タンパク質を用いてprotein chromatography-ICP/MS法を行った結果、p54^<nrb>/NonOタンパク質を含むフラクション中に銅が多く検出された。p54^<nrb>/NonOは、DNA topologyの調節機能を持つtopoisomerase I(topo I)と結合することが報告されている。p54^<nrb>/NonOを過剰発現させたneuro2a細胞から調製した細胞抽出液を用いて免疫沈降を行い、沈降物中のtopo I活性を測定した結果、強い活性が認められた。これに対して、p54^<nrb>/NonOの銅結合部位を欠損させた変異体では、topo I活性は認められるものの弱い活性であった。また、銅が欠乏したP19細胞中のtopo I活性は、有意に低下していた。以上のことから、核内の銅は、p54^<nrb>/NonOに結合して、topo Iの活性を調節していることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)