2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上家 潤一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (10400269)
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Keywords | 血管脳関門 / 蛋白質 / トランスポーター / 質量分析 / 活性制御 |
Research Abstract |
P-gpの活性制御機構を解明するために、LC-MS/MSを使用したシークエンスタグ法を用いて、細胞膜トランスポータータンパク質の絶対定量法の構築を行った。P-gp発現豚腎臓細胞について、LC-MS/MSを用いてタンパク質大規模同定解析を行い、高感度に検出されるP-gp特異的なペプチド配列の決定に成功した。決定したペプチドについて、安定同位元素標識したアミノ酸を含む標識ペプチドおよび非標識ペプチドを合成し、標識体を内部標準とてLC-MS/MS MRMモードで測定を行い、定量法を確立した。確立した定量法は10fmol-1000fmolの範囲で直線性を示し、高感度、広範囲な定量系を確立することに成功した。P-gp発現豚腎臓細胞に発現するP-gpタンパク質量について、確立した定量法と、既存技術である定量的western blottingで定量値の比較したところ、それぞれ101.2fmol/μg protein,128.2fmo1/μg proteinであり有意差は示されなかった。さらに、Glut1について定量系を確立し、マウス脳毛細血管におけるGlut1タンパク質発現量を、既存法であるcytochalasin binding assayと比較したところ、それぞれ96.1fmo1/μg protein、91.1fmo1/μg proteinであり有意差は示されず、本法が細胞試料、生体試料の細胞膜トランスポータータンパク質を高精度に定量可能であること確認した。本法を用いてマウス脳毛細血管におけるP-gp発現量を測定し、21.4fmol/μg proteinであることを明らかにした。本定量法は膜タンパク質を高感度かつ高精度に測定できる系であり、また、タンパク質の翻訳後修飾を定量的に解析可能な重要な基盤技術である。
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Research Products
(1 results)