2006 Fiscal Year Annual Research Report
モルヒネより強力かつ経口有効な新規鎮痛インドールアルカロイドの薬理作用解析
Project/Area Number |
18790126
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
松本 健次郎 城西国際大学, 薬学部, 助手 (10406770)
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Keywords | オピオイド / 抗侵害作用 / モルヒネ / インドールアルカノイド / μオピオイド受容体 / κオピオイド受容体 / Mitragynine / 消化管運動 |
Research Abstract |
タイ国伝承民間薬Mitragyna speciosaの葉にはオピオイド活性を有する様々なインドールアルカロイドが含有されている。当該研究ではその中でも強力な抗侵害作用を持つ7-hydroxymitragynine(7-OHMG)の作用機序、副作用の発現を解明しようと企画した。また7-OHMG関連化合物のオピオイド活性のスクリーニングを行い、さらに強力なオピオイド作用を持つ新規化合物の探索を行った。その研究成果の要点を以下の3点にまとめた。 (1)抗侵害作用の特性:マウスにおいて、各種オピオイド受容体選択的拮抗薬を用い7-OHMGの抗侵害作用機序の解析を行った。その結果7-OHMGの抗侵害作用は主にμ_1受容体を介していることが明らかとなった。 (2)単回投与における便秘作用の検討:7-OHMGの消化管運動抑制作用についてモルヒネと比較検討を行った結果、7-OHMGは抗侵害作用の発現用量と同用量において消化管運動を抑制した。一方、モルヒネはその抗侵害作用の約4分の1の用量で消化管運動を有意に抑制した。これらの結果から、7-OHMGはモルヒネにおける重要な副作用の1つである消化管運動抑制作用が弱いことが示唆された。 (3)新規化合物の探索:7-OHMG関連化合物についてモルモット回腸、マウス輸精管電気刺激方法によるスクリーニングと脳膜標本を用いた受容体結合実験により新規化合物の活性評価を行った。その結果10位にF基を持つ新規化合物mitragynine ethyleneglycol誘導体MGM-9がin vitro実験においてモルヒネの約17倍強いオピオイド活性を示し、その作用はμおよびκオピオイド受容体を介することが示唆された。またマウスにおける抗侵害作用は皮下投与でモルヒネより約8倍強力であり、これまで検討した7-OHMG関連化合物の中で最強であった。
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Research Products
(4 results)