2006 Fiscal Year Annual Research Report
食品由来ポリフェノールによる炎症性腸疾患に対する新たな創薬戦略の開発
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18790136
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉岡 靖雄 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師(常勤) (00392308)
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Keywords | 食品 / 免疫学 |
Research Abstract |
申請者はこれまで、リンゴプロシアニジン(ACT)の経口摂取が、炎症性腸疾患の発症に対して予防効果を示すことを明らかとしてきた。本年度は、ACTの大腸炎予防効果に対する、ACTの投与濃度・投与期間依存性を検討すると共に、他の大腸炎モデルマウスに対する有効性を検討した。デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルマウスに対して、1% ACT(w/v)を14日間経口自由摂取させた後、DSSにより大腸炎を誘導した場合、DSS投与群と比較して体重減少の抑制、生存率の向上が見られた。0.3% ACT投与群では体重減少、生存率ともに、1% ACT投与群とほぼ同等の予防効果を示しましたが、0.1% ACT投与群ではDSS投与群と比べて有効性は認められなかった。また、1% ACTを14日間投与した群では、DSS投与群と比較して有意な体重減少抑制、生存率向上が認められたが、7日、3日間投与した群では、DSS投与群と比較して体重減少、生存率共に大腸炎発症抑制効果を示すものの、14日間投与群と比較するとその効果は減弱していた。更に、潰瘍性大腸炎のモデルマウスであるオキサゾロン誘発大腸炎モデルマウスに対する予防効果を検討した結果、1% ACTを7日間投与することで、有意な体重減少抑制効果を示し、ACTがDSS誘発大腸炎モデルマウスだけでなく他の大腸炎モデルマウスにおいても予防効果を示すことが明らかとなった。現在、ACTの大腸炎予防効果の作用メカニズムに関して、免疫細胞への影響を中心に検討中である。
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