2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790150
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
幸喜 富 自治医科大学, 医学部, 研究員 (70350436)
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Keywords | 下垂体 / 内分泌細胞 / 濾胞星状細胞 / 組織修復・再生 / ラット |
Research Abstract |
下垂体前葉(PD)内で濾胞星状細胞(FS細胞)が体性幹細胞としての役割を持つのか否かを検証するため、ラット下垂体前葉を外科的に部分切除し、損傷修復・再生に伴うFS細胞の動態を組織学的に観察した。実験動物はWistar系雄ラット12週齢を用い、周咽頭法により動物の頭蓋底側からPDを露出し、18G注射針を具えた1mlシリンジでPD左側部を吸引しPD組織小片を摘出した。動物は通常の条件下で飼育し、1週間後に屠殺して残存するPDを得た。摘出PDは昇汞ホルマリンで浸漬固定、パラフィン包埋を経て、5μm厚に薄切された。切片をヘマトキシリン・エオジン染色し観察すると、残存PD組織に異常所見は認められず、損傷部位近傍のPD細胞も組織学的には正常のものと変わらなかったが、損傷部位には線維芽細胞とみられる扁平な細胞の侵入が多数見られ、明るい色調を示す細胞間質からなる軽度の瘢痕形成が起こっており、瘢痕形成部を取巻くように1層の細胞群からなる明瞭な層構造が観察された。この層構造をなす細胞がFS細胞であるか否かを調べるため、PD内でのFS細胞特異物質であるS-100タンパクを免疫組織化学法により染色して観察したが、損傷部位周囲にFS細胞の集積・増殖像は見られず、損傷から1週間後の段階ではFS細胞が組織修復に関与することを示す結果は得られなかった。現在、損傷後より早い時期とより遅い時期でのFS細胞の観察、増殖細胞核内抗原PCNAの免疫染色による増殖細胞の同定を進めている。
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Research Products
(3 results)