2006 Fiscal Year Annual Research Report
RyRノックアウトを用いた膵β細胞インスリン分泌の細胞内Ca2+遊離の寄与の解析
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18790161
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
樫山 拓 順天堂大学, 医学部, 助手 (90338343)
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Keywords | リアノジン受容体 / インスリン / 細胞内Ca2+ストア / β細胞 |
Research Abstract |
近年、細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>遊離がインスリン分泌に関与していることが報告され、糖尿病との関連も示唆されている。本実験では、細胞内Ca^<2+>遊離チャネルであるリアノジン受容体(RyR)ノックダウンモデルを用い、インスリン分泌における膵β細胞内Ca^<2+>遊離の寄与と分子機構について検討した。 まず、膵β細胞由来MIN6細胞を用い、細胞内Ca2+ストアの存在とCa2+遊離チャネル(RyR)の存在を確認した。蛍光性Ca2+指示薬(Fura2)を負荷した細胞に10mMカフェインを適用したところ一過性のCa2+上昇が観察された。また、miRNAシステム(Invitrogen)を用いてRyR2のノックダウンを行った。miRNA配列を含むベクターにCFPを導入し、トランスフェクションされた細胞を区別出来るようにした。CFP蛍光が見られる細胞ではカフェインによるCa2+上昇が有意に小さくなった。さらに、SOC関連蛋白質であるSTIMlについてもRNAiを行った。MIN6細胞に細胞外Ca2+非存在下でCPAを適用し、細胞内Ca2+ストアを枯渇させた後に、再び細胞外Ca2+を2mMに戻したところ一過性の細胞内Ca2+の上昇が観察された。いっぼう、STIM1のmiRNAをトランスフェクションされた細胞ではCa2+上昇が著しく減少した。このことからMIN6細胞においても他の細胞と同様にSTIM1がSOCに関与していることが明かとなった。まだ例数が少ないが、興味深いことにSTIM1をノックダウンしたMIN6細胞はカフェインによるCa2+上昇が小さくなるという結果が得られており、細胞内Ca2+のストアのCa2+濃度が細胞内Ca2+をコントロールして、間接的にインスリン分泌の調節に関与している可能性が見えてきた。今後は高グルコース剌激によるCa2+遊離やインスリン分泌について検討する。
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