2006 Fiscal Year Annual Research Report
行動及び内分泌機能の性分化におけるエストロゲンレセプターの役割解明
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18790174
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
野村 昌良 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369066)
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Keywords | エストロゲンレセプター / アンドロゲンレセプター / 視床下部 / ノックアウトマウス / in situ hybridization / 性差 |
Research Abstract |
我々のグループはエストロゲン受容体αおよびβ(estrogen receptor(ER)α,ERβ)のノックアウトマウス(ERα knockout mouse;αERKO, ERβ knockout mouse;βERKO)を用いて攻撃行動および性行動におけるERの中枢神経系での役割に関する研究を行ってきた。これらの一連の研究において、少なくとも雄ではERβは攻撃行動においてERαとは異なり、抑制的に作用していることが示唆された。本研究では新生児期および乳児期のエストロゲン受容体およびアンドロゲン受容体の変化およびそれらの相互発現調節を調べた。その結果 1.ER-βは新生児および乳児期の脳内においてER-αと全く異なる発育上の変化をしめした。すなわちER-αは出生後2日目がピークにあるのに対して、ER-βでは出生後12日目がピークであった。 ------これらの結果から、エストロゲン(リガンド)に対するER-β(レセプター)の遺伝子発現調節はER-αのそれと異なっていることが示唆される。 2.adult αERKOマウスでみられたように、新生児期においてもmedial preoptic area(MPOA)ではαERKOマウスにおいてERβの発現レベルの著名な減少を認めた。このようなgenotype differences(WT>αERKO)はその他の部位では認められなかった。 ------これらの結果からER-αの発現がMPOAにおけるER-βの発現に不可欠であることが示唆される。 3.ER-βの性差は生後6日でMPOA, bed nucleus of the stria terminalis(BNST), medial amygdala(MeAMY)において認められ、ER-αとは異なり雄の発現量が雌よりも多かった。とくにMPOAではER-αのノックアウトにおいてER-βが雄雌とも著名に減少しているものの、その性差はαERKOマウスにおいても認められた。 ------これらの結果から、脳内のER-βの性差は新生児期にすでに存在し、ER-αのノックアウトによってもその性差の方向性は変化しないことが示唆される。 4.ER-αのノックアウトによりMPOAにおいてARの発現が雄雌ともに減少した。しかしながらそのほかの部位では、ER-α遺伝子のノックアウトによりARの変化を認めなかった。 ------これらの結果からMPOAにおいてER-αの発現はARの発現にも関与することが示唆された。
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Research Products
(5 results)