2008 Fiscal Year Annual Research Report
cAMPによる開口分泌制御におけるcAMP compartmentの意義
Project/Area Number |
18790203
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴崎 忠雄 Kobe University, 医学研究科, 講師 (00323436)
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Keywords | インスリン分泌 / 糖尿病 / 全反射型蛍光顕微鏡 / インスリン分泌顆粒 / 膵β細胞 / バイオイメージング |
Research Abstract |
(1) Epac2をインスリン分泌細胞株MIN6に発現させ、8-Bromo-cAMPとグルコースで刺激すると、インスリン分泌は16.7mMグルコースではなく、5.6mMグルコースでのみ有意に誘導された。この結果は、食事後、血中グルコース濃度が上昇しはじめたときに、Epac2が関与すること示唆している。また、Epac2は細胞膜に局在することから、5.6mMグルコースによる惹起される代謝シグナルは、細胞膜付近でEpac2の存在するcAMP compartmentと相互作用しインスリン分泌を誘導することが明かになった。 (2) またEpac2が存在するcAMP compartmentの構成分子を明らかにするために、cAMPアナログ8-Bromo-cAMPで刺激したMIN6細胞を用いて、Epac2の下流シグナルを担うRap1と結合する分子のスクリーニングを行った。未刺激の細胞と比較して、SDS電気泳動で認められた特異的バンドは下流シグナルを担うと推測される。 (3) さらに、cAMPシグナルによるインスリン分泌制御を担う分子として、低分子量Gタンパク質Rab11の標的分子、Rip11を同定した。Rip11はEpac2欠損膵β細胞株でもインスリン分泌に関与することから、PKA依存性インスリン分泌増強に関わることが示唆され、実際、PKAによってリン酸化されることが明らかになった。したがってRip11はEpac2が存在するcAMP compartmentとは異なる領域でインスリン分泌を制御することが予想された。
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Research Products
(8 results)