2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790207
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
沖 昌也 福井大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60420626)
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Keywords | タンパク質 / 遺伝子 / 細胞・組織 / リン酸化 / ヒストン |
Research Abstract |
1.VRK1によるヒストンH2Aリン酸化の関与 我々の研究室ではM期特異的にヒストンH2A(Thr119)をリン酸化する酵素NHK-1をショウジョウバエ未受精卵から精製した。NHK-1は種を越えて幅広く保存されており、ヒト細胞ではアミノ酸レベルで44%の相同性を示すVRK1がホモログであると考えられている。本年度はヒトVRK1がNHK-1同様、M期特異的にヒストンH2A(Thr120)をリン酸化する活性を保持しているか明らかにすることを目的に研究を進めた。M期に同調した細胞と非同調細胞抽出液用い、既に作成したヒストンH2A(Thr120)リン酸化抗体によりウエスタンブロッティング法を用い解析した。異なる39種類の細胞株を用い解析を行った結果、5種類の細胞のみM期特異的なヒストンH2A(Thr120)のリン酸化が観察された。その他、34種類の細胞に関しては、非同調細胞においてもヒストンH2A(Thr120)のリン酸か見られ、細胞周期特異的なリン酸化の影響は見られなかった。 2.癌組織を用いたVRK1遺伝子の解析 癌組織をヒストンH2A(Thr119)リン酸化抗体を用い免疫染色を行った結果、癌組織特異的にヒストンH2A(Thr119)のリン酸化の上昇が観察された。このヒストンH2A(Thr119)のリン酸化の増加がVRK1に変異が導入されたために起こった現象かを明らかにする目的で、癌組織よりRNAを抽出し、RT-PCR法を用いcDNAを作成した。塩基配列決定法を用い変異が導入されているか確認したが、VRK1遺伝子内における変異は観察されなかった。
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