2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ras依存的non-apoptoticプログラム細胞死の制御に関わる分子機構
Project/Area Number |
18790216
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
立花 研 山形大学, 医学部, 助手 (10400540)
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Keywords | Ras / non-apoptotic / programmed cell death |
Research Abstract |
Ras依存的non-apoptoticプログラム細胞死のin vitroモデル実験系を用い、Rasからnon-apoptotic細胞死に至るシグナル伝達の制御機構について検討を行った。これまでの解析結果からRas依存的に制御されるnon-apoptoticプログラム細胞死はミトコンドリア膜透過性亢進の関与しないプログラム細胞死であることが判明している。またRasの特定のエフェクターを選択的に活性化できるRas変異体ならびに各エフェクターに対する特異的阻害剤を用いた検討の結果からはPI3キナーゼを介する細胞内シグナル伝達経路が細胞死のシグナル伝達に重要な役割を果たしていることが示唆された。一方、薬理学的阻害剤を用いたスクリーニング実験の結果、Rhoファミリー蛋白質を特異的に不活化するToxin BがRasによる細胞死誘導を抑制することから、Ras依存的非アポトーシス性プログラム細胞死の制御にRho, Rac, Cdc42などのRhoファミリー蛋白質が関わっている可能性も考えられるようになってきた。そこでRhoファミリーの各メンバーについて優性抑制変異体ならびに恒常活性型変異体を作成し、これらの変異体の発現がRasによる細胞死誘導にどのような影響を与えるか検討した。その結果、まずRacがRas依存的細胞死の重要な制御因子であることが明らかになった。すなわちRacの優性抑制変異体の発現はRasによる細胞死誘導を抑制し、Racの恒常活性型変異体の発現はRasによる細胞死誘導を促進した。さらに恒常活性型変異体Cdc42の発現もRasによる細胞死誘導を促進したが、この促進効果がRac依存的であることも判明した。また、恒常活性型変異体RhoAの発現はRasによる細胞死誘導を抑制した。これらの結果はRhoファミリー蛋白質がRasによるnon-apoptotic細胞死の制御において中心的な役割を果たしている可能性を示唆している。
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Research Products
(2 results)