2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷応答における核内構造体の動態制御機構の解析
Project/Area Number |
18790222
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
依田 成玄 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70335454)
|
Keywords | DNA損傷応答 / Chk2キナーゼ / Wip1ホスファターゼ / チェックポイント機構 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
DNA損傷が起こると損傷応答に関わる様々なタンパク質(ATM, Chk1, Chk2等)が損傷部位に集積しドット状の核内フォーカスを形成するが、このような核内構造体の動態を制御する分子機構は明らかではない。本研究では、DNA損傷後の核内構造体の変化を可視化し、その動態制御におけるWip1ホスファターゼの役割を明らかにすることを目的としている。これまでに、Chk2と会合する分子として、放射線照射に伴い発現が誘導されるWip1を同定するとともに、Wip1がChk2の活性化に必須なThr68を脱リン酸化し、Chk2の活性制御に関与することを明らかにしてきた(Cell Death Differ., 2006)。また、DNA損傷時に形成されるリン酸化Chk2の核内フォーカスをWip1が抑制することを見出すとともに、Chk2とWip1の構造機能連関解析から、両者はChk2のSQ/TQドメイン及びWip1のN末端領域を介して直接会合すること、並びに、両者の核局在とChk2のキナーゼ活性が両者の会合に必要であることを明らかにした。加えて、Wip1のN末端領域が内在性Wip1に対してドミナントネガティブに作用し、Chk2依存的なアポトーシスを亢進させることも見出した(J.Biol.Chem., 2006)。Wip1によって制御されるDNA損傷後の核内構造体の動態解析のために、タモキシフェン依存的なWip1の誘導実験系を開発し、この系においてタモキシフェン依存的にリン酸化Chk2の核内フォーカス形成が抑制されることを確認した。
|
Research Products
(5 results)