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2006 Fiscal Year Annual Research Report

ポリコームによるrunx遺伝子群の発現制御と細胞の癌化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18790232
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

藤村 雄一  独立行政法人理化学研究所, 免疫器官形成研究グループ, 基礎科学特別研究員 (60392099)

Keywordsポリコーム / Runx / エピジェネティックス / 軟骨
Research Abstract

哺乳類ポリコーム遺伝子産物群は染色体上に巨大タンパク複合体を形成し、転写活性を制御する。近年、この機能の重要性が明らかとなってきている。しかしその標的遺伝子についての具体的知見は非常に限られたものである。我々はChromatin Immunoprecipitation (ChIP)法の応用により、転写因子Runx遺伝子群がポリコームの結合サイトであることを発見した。
哺乳類ではRunxは3つの遺伝子からなるファミリーであり、それぞれが極めて重要な働きをしている。
ポリコームの結合と転写活性の相関を明らかとするべく、Runx遺伝子群の発現が空間的・時間的に厳密に制御されている発生期の軟骨細胞をモデル系として、様々な発生段階でのRunx遺伝子座へのポリコームの結合を解析した。転写抑制状態と活性化状態では、ポリコームの一つ、Ring1bの結合パターンが大きく変化していた。抑制状態ではRing1bは遺伝子座全体を覆うように分布している(broad form)のに対し、活性化状態ではプロモーター領域にのみ結合が認められた(pin-point form)。
次に、我々はこの結合様式の変化が転写活性に与える影響を明らかとするべく、コンディショナルノックアウト系を用いて軟骨細胞からRing1b欠損させた。その結果、Ring1bはbroad formにおいては転写を抑制し、逆にpin-point formにおいては賦活化することが明らかになった。
さらに、in vivoにおいてRing1bを欠損させたマウス胚では、軟骨のカルシウム化に遅延が認められた。Runx2は骨化のマスター遺伝子であり、Ring1b欠損胚の軟骨細胞ではRunx2の発現量が減少することから、Runx2の発現異常がこの表現系の原因であると考えられた。
以上より、ポリコームはRunx遺伝子群の転写上流因子であり、この転写制御機構は生理的なRunxの機能発現に必須な因子であると結論された。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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