2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコームによるrunx遺伝子群の発現制御と細胞の癌化に関する研究
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18790232
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤村 雄一 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫器官形成研究グループ, 研究員 (60392099)
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Keywords | ポリコーム / エピジェネティックス / runx |
Research Abstract |
哺乳類ポリコーム遺伝子産物群は染色体上に巨大タンパク複合体を形成し、転写活性を制御する。我々はChromatin Immunoprecipitation(ChIP)法の応用により、転写因子Runx遺伝子群がポリコームの結合サイトであることを発見した。 ポリコームの結合と転写活性の相関を明らかとするべく、Runx遺伝子群の発現が空間的・時間的に厳密に制御されている発生期の軟骨細胞をモデル系として、様々な発生段階でのRunx遺伝子座へのポリコームの結合を解析した。転写抑制状態と活性化状態では、ポリコームの一つ、Ringlbの結合パターンが大きく変化していた。抑制状態ではRinglbは遺伝子座全体を覆うように分布している(broad form)のに対し、活性化状態ではプロモーター領域にのみ結合が認められた(pin-point form)。 次に、我々はこの結合様式の変化が転写活性に与える影響を明らかとするべく、コンディショナルノックアウト系を用いて軟骨細胞からRinglb欠損させた。その結果、Ringlbはbroad formにおいては転写を抑制し、逆にpin-point formにおいては賦活化することが明らかになった。 さらに、in vivoにおいてRinglbを欠損させたマウス胚では、軟骨のカルシウム化に遅延が認められた。Runx2は骨化のマスター遺伝子であり、Ringlb欠損胚の軟骨細胞ではRunx2の発現量が減少することから、Runx2の発現異常がこの表現系の原因であると考えられた。 以上より、ポリコームはRunx遺伝子群の転写上流因子であり、この転写制御機構は生理的なRunxの機能発現に必須な因子であると結論された。
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Research Products
(1 results)