2006 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィーに対する遺伝子治療法の開発(AAVベクターを用いた遺伝子修復)
Project/Area Number |
18790236
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
湯浅 勝敏 武蔵野大学, 薬学研究所, 助手 (70409382)
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Keywords | 遺伝子治療 / 筋ジストロフィー / AAV / トランス・スプライシング |
Research Abstract |
トランス・スプライシングとアデノ随伴ウイルス(AAV>ベクターを利用したDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)に対する新たな遺伝子治療法の開発を試みた。本研究では、スプライシング過程においてrAAVからの外来性pre-trans-splicing RNAと内因性ジストロフィンpre-mRNAの間でトランス・スプライシングを強制誘導し、変異を持つエクソンを正常エクソンに置換することで、正常なジストロフィン蛋白質の発現回復を目的とする。そこで、DMDの治療モデルにエクソン23(ex23)にナンセンス変異を持つmdxマウスを使用し、トランス・スプライシングによるジストロフィンmRNAの変異ex23の置換修正を試みた。先ず、正常マウス骨格筋からint22-ex23-int23を含む2.0kbのゲノムDNAをクローニングし、これを基にトランス・スプライシングを誘導するためのpre-trans-splicing moleculeを構築した。次に、トランス・スプライシングが誘導可能かどうかを調べるために、myc-tag配列を持つpre-trans-splicing RNAを発現する1型AAVベクターを作成し、正常マウスの骨格筋へ導入した。導入2,4週後にRT-PCRとnested PCRによりジストロフィンmRNAの解析を行ったところ、効率は低いがトランス・スプライスされたmRNAが存在することを確認した。しかし、myc抗体を用いた免疫組織染色では、myc陽性線維は検出されなかった。そのため、今後はターゲティング配列などpre-trans-splicing分子を改良し、トランス・スプライシング効率をあげるための工夫が必要と考えている。
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