2007 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌発症に関わる東アジア型ヘリコバクターピロリの新しい免疫学的診断法の開発と応用
Project/Area Number |
18790249
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
内田 智久 Oita University, 医学部, 助教 (70381035)
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Keywords | 胃炎 / H.pylori / cagA遺伝子 / 免疫組織化学 / 胃癌 / 診断法 / DNA解析 / 東アジア型CagA |
Research Abstract |
日本人の胃癌発症にはHelicobacter pylori(H.pylori)感染性胃炎が深く関与している。しかしH.pyloriによる胃炎は胃癌の少ない欧米人にも高頻度にみられることから、欧米人に感染するH.pyloriと本邦に蔓延しているH.pyloriの違いが注目されてきた。最近になってH.pyloriが有する毒性因子CagAの構造が異なっていることが明らかになり、発癌性の差をもたらすものと推測されている。最近になってH.pyloriが有する毒性因子CagAの構造の違いが、発癌性の差をもたらすものと推測されている。これまでに我々は強毒型である東アジア型CagAを有するH.pyloriを特異的に認識するポリクローナル抗体の作製に成功しており、H.pyloriから抽出したDNAを解析して遺伝型を決定していた47例について、同一患者から採取された胃生検材料を用いて免疫組織化学の結果を比較した結果、DNA解析によるcagA遺伝子型と免疫組織化学の結果とは高率に一致しており、我々が開発した抗体を用いた胃生検組織の免疫組織化学的手法を用いたcagA遺伝子型の決定が有用である可能性を示唆した。また、H.pylori感染によって細胞内に注入されたCagAが感染後短時商で核に移行していることを明らかにした。これらの研究結果を学術論文として発表した(Can Sci.2007 April)。さらに、開発した強毒型東アジア型CagA抗体を用いた免疫組織化学的診断法の有用性を明らかにするためにより多数例(149例)で検討を行い、有用であることを証明し論文として投稿中である(Pathol Int 2008 in press)。
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Research Products
(2 results)