2006 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁遠心上清からのk-ras・p53変異検出による胆嚢上皮超早期癌病変の同定
Project/Area Number |
18790253
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柳澤 信之 北里大学, 医学部, 講師 (80337914)
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Keywords | 人体病理学 / 胆嚢 / 発癌 / PCR-SSCP / K-ras / p53 |
Research Abstract |
平成18年度現在、我々は非胆嚢癌症例の胆汁上清最大400例でk-ras・p53遺伝子異常を各々以下のように検出しており、さらにパラフィン切片上においても一部の症例で既に同様の異常を有する胆嚢粘膜上皮細胞群を確認している。 ・胆汁上清におけるk-ras遺伝子変異検出率(SSCP法による): Total case:400cases〔Amplification:331cases(83%)〕 Mutation(by Bile supernatant SSCP):20cases(6.0%) exon 1:18cases(5.4%), exon 2:3cases(0.9%) ・胆汁上清におけるp53遺伝子変異検出率(SSCP法による): Total case:325cases〔Amplification:294cases(90%)〕 Mutation(by Bile supernatant SSCP):18cases(6.1%) exon 5:2cases(0.7%), exon 6:2cases(0.7%), exon 7:6cases(2.0%), exon 8:5cases(1.7%), exon 9:3cases(1.0%) ・パラフィン切片上の非腫瘍性粘膜上皮群からもすでに両遺伝子変異がSSCP法によって検出される。それらの病変はわずかに鋸歯状過形成傾向あるいは密な腺管形成傾向を呈するが、細胞異型に乏しく未だ明らかに腫瘍性病変とはいえないH.E.像を示す。 ・一部の症例において、p53遺伝子変異は胆汁上清のDirect Sequence法によっても確認された。 現在、パラフィン切片上からの粘膜上皮細胞群の両遺伝子変異をDirect Sequence法によって確認中である。
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