2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790256
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 泰昌 Keio University, 医学部, 助教 (00296708)
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Keywords | 腫瘍 / 肝細胞 |
Research Abstract |
本研究は、肝癌の発癌初期における遺伝子の発現から癌化機構の解明を図ることを目的とし、Bmi-1ならびにCAP2を対象として研究を行った。 Bmi-1 mRNAの発現を5種のHCC株とHCC臨床検体試料を定量的PCR法により検討した。その結果、5種すべてにおいて発現が見られ、その内、1種では非常に高い発現が認められた。臨床検体14例での背景の非がん部とHCC部の比較においても、HCC部で高発現が見られた(Ave. 0. 48 vs 1.55, Pく0.001)。次に免疫組織化学的検討を2003年から2006年の慶應大学病院の手術例100症例、154結節(高分化型46,内20の早期がんを含む;中分化型84 ; 低分化型24)の腫瘍を対象とし行った。 Bmi-1蛋白は、核内に明瞭な小点状に局在していることを確認した。免疫組織学的による半定量的な解析では、高分化型40/46個:早期がん20/23個(84%)、中分化型50/84個(60%)、低分化型11/24個(46%)に高度の発現が認められた。一方、背景の非がん部および前がん病変と考えられる腺腫様過形成部は、陰性であった。この様にBmi-1は高分化型または早期がんにおいてより高率に高い発現が認められた。また、HCC株の内、最も高発現をしていたKIM1は、最も高分化型の株であった。これらの結果は、Bmi-1が肝発がん早期に関与している可能性をも示唆すると考えられた。また、病理組織学的診断においてBmi-1は有用なマーカー分子となることを明らかとした。今後Bmi-1の肝がんでの機能について引き続き解析を進めていく。 CAP2は、肝がん多段階発がんに関連しその発現が増加し、早期肝がんから過剰発現が見られることを明らかとしている。
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Research Products
(4 results)