2006 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子drsによるオートファジー誘導機構の解明
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18790270
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
旦部 幸博 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50283560)
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Keywords | 癌制御遺伝子 / オートファジー / ストレス応答 |
Research Abstract |
研究代表者は、18年度の計画に従ってさまざまな要因によるオートファジー誘導においてdrsがその制御にどのような役割を果たしているかを明らかにし、そのシグナル伝達経路の解明を行った。 1.野生型およびdrsKOマウス由来の細胞を用いて、各種刺激に対するオートファジー誘導を、電子顕微鏡および蛍光色素等を用いて解析し、drsKO細胞では低血清ストレス下や栄養飢餓、薬剤によるオートファジーが抑制されることを見いだした。またKO細胞への再導入実験によって、この抑制が消失することを見いだし、drs遺伝子が、オートファジー誘導を促進的に制御していることを明らかにした。形態学的な解析から、drsKO細胞では、オートファジー後期に見られるオートリソソームが減少する一方、その前駆体であるオートファゴソームが増加しており、オートファジーの成熟化過程にdrsが関与する可能性が示唆された。 2.drsが関与するオートファジーのシグナル伝達経路を明らかにするため、低血清ストレス下におけるオートファジー関連分子について解析した。オートファジー初期の制御分子であるBeclinの誘導には差が認められなかった。オートファジーにより活性されるLC3は、drsKO細胞において、むしろ活性型が蓄積する傾向が認められた。この知見は、上記1の結果と合致する。 3.プロテオミクス解析により、drsと結合するオートファジー関連分子としてRab24を同定し、免疫沈降法および蛍光標識タンパク質を用いた細胞内局在の検討から、drsとRab24が細胞内で相互作用することを明らかにした。Rab24はオートファゴソームとリソソームの融合を介してその成熟化の過程を制御することが報告されており、drsはRab24と相互作用することでオートファジーの成熟化過程を制御している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)