2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラット肝発がんに関わる新規がん遺伝子の同定と機能解析
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18790274
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 周五 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60363933)
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Keywords | ラット / 肝発がん / 細胞増殖 |
Research Abstract |
ラットにおける「XM_347003」遺伝子の正常臓器での発現をNorthern blot法を用いて検討した結果、検討臓器(肝、腎、脾、膵、肺、心、筋、大腸、脳、精巣、前立腺、精嚢)のうち精巣で特に強い発現を認めるとともに、脾、大腸、脳において高発現を認めた。また肺でもわずかに発現を認めた。高発現を認めた臓器について、臓器内の発現領域をin situ hybridizationにより検討した結果、精巣では精祖細胞・精母細胞、大腸では粘膜上皮、脳では神経細胞、脾臓では白脾髄の帽状域を中心に高発現を確認した。ラット肝腫瘍性病変でのRNA発現確認のため、肝細胞癌を含む組織標本に対しin situ hybridizationを行った結果、肝細胞癌で周囲非癌部に比べ高発現していることを確認した。また、ラット肝細胞癌細胞株での発現を、Northern blot法を用いて検討した結果、正常や肝細胞癌よりも高い遺伝子発現を示した。「XM_347003」遺伝子は機械的に予測された遺伝子のため正確なmRNA配列と確認するために、5'-RACE法を用いてmRNA全長の配列を確認した。ラット肝組織を用いて行った結果、登録されていた配列の先頭から147baseまでは確認できないため登録してあるアミノ酸配列も、少なくともラット肝臓では発現されていない可能性が高く今年度の抗体作成を見送った。代わりに来年度行う予定だった機能解析により発がんへの機序を解明する目的で、ラット肝細胞癌細胞株にRNA interferenceによる遺伝子発現抑制を行い、細胞増殖能と浸潤能の変化を検討した。その結果、「XM_347003」遺伝子を抑制した細胞では細胞増殖の抑制を認めた。浸潤能は抑制傾向を認めるものの統計学的な有意差は見られなかった。 以上より、「XM_347003」遺伝子はラット肝発がん過程において進展に伴い発現上昇し、細胞増殖に関与する重要な遺伝子であることが証明された。
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Research Products
(6 results)