2006 Fiscal Year Annual Research Report
結節性硬化症原因遺伝子Tsc2の個体レベルでの生理機能の解析
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18790278
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
百瀬 修二 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70360344)
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Keywords | Ekerラット / 腎癌 / トランスジェニックラット / 結節性硬化症 / Tsc2遺伝子 / AMPキナーゼ / 胎生致死 |
Research Abstract |
Tsc2-DCT55(Tsc2,遺伝子産物のC末55アミノ酸を欠失させたcDNAを発現する導入遺伝子(Tg))をTgにもつ変異ホモ接合体のEkerラットでは、ヘテロ接合体であるEkerラットならびに野生型のラットと比較して体重の増加が認められたが、さらに母集団を増やし観察する。また上記の個体における血清学的・生化学的検査に関しては、血糖値などの糖代謝系に関しては有意な差は認められなかったが、脂質代謝系に関しては、総コレステロールの値が対照群に比べて高かった。Tsc2が関与するAkt/mTOR/S6 kinaseのシグナル伝達経路の最下流に位置する分子の一つであるribosomal S6は、Tsc2が欠失するとリン酸化が亢進すること見出されている。胎生致死がもたらされる胎生11.5-13.5日のあいだで、胎児のホールマウントのS6のリン酸化の検討を免疫組織学的に行ったが、現在のところの有意な差はみられていない。Tsc2-RGH(C末約1/5をコードする導入遺伝子(Tg))をTgに持つトランスジェニックEkerラットにおいて、Tg産物の発現量に依存した腫瘍抑制効果が認められた。したがって、胎生期においてTsc2の欠失にともなう胎生致死に対してTsc2-RGHがどのような影響を及ぼすかを胎生期での胎生致死の遷延性が見られるかを検討したが、遷延性は認められなかった。
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Research Products
(2 results)