2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18790298
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
度会 雅久 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40312441)
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Keywords | 感染症 / 細菌 |
Research Abstract |
我々が構築したマウスを用いたブルセラ菌感染実験モデル系により、感染初期には菌接種部位のリンパ節等で菌が検出されるが、その後全身臓器に菌の分布が認められる。妊娠マウスでは胎盤での著しい菌の増殖が認められるものの、その他の臓器での増殖は少ない。すなわち、ブルセラ菌の標的臓器は胎盤であると考えられ、臓器特異性が認められる。感染した胎盤を病理学的に解析すると菌は栄養膜巨細胞に特異的に感染することが示された。我々はこの現象が菌感染によって引き起こされる流産の鍵になっている可能性があると考え注目している。そこでなぜこの栄養膜巨細胞に特異的に感染するのか、そのメカニズムの解析を行った。具体的には実験系をより単純にするために、胎盤から栄養膜幹細胞を分離し、これを巨細胞に分化させこれらの細胞を用いた試験管内における感染実験系を確立した。この培養細胞系を用いた実験においてブルセラ菌野生株は栄養膜幹細胞より巨細胞に効率よく侵入し細胞内で増殖することが示された。一方、細胞内増殖能を欠く変異株では、巨細胞内に侵入しないことが示され、ブルセラ菌が保有する病原因子が細胞侵入に関与する結果が得られた。これらのことから栄養膜巨細胞上にブルセラ菌感染に関わるレセプターが存在し、そのレセプターと病原因子の相互作用によって菌が細胞内に侵入する可能性が考えられた。このレセプターを同定するためにブルセラ菌の栄養膜巨細胞への侵入を阻害するモノクローナル抗体を作製し、この感染を阻害する抗体が認識する分子の解析を行っている最中である。この抗体は70kDaの細胞表在性蛋白質を認識するため、この蛋白質がレセプターの可能性が高いと考え解析を進めている。
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[Journal Article] Antibodies to Brucella spp. in Pacific bottlenose dolphins from the Solomon Island.2006
Author(s)
Tachibana, M., Watanabe, K., Kim, S., Omata, Y., Murata, k., Hammond, T., Watarai, M.
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Journal Title
J.Wildl.Dis. 42
Pages: 412-414
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