2007 Fiscal Year Annual Research Report
肥満と免疫〜アディポカインが感染制御に与える影響の解明
Project/Area Number |
18790299
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
差波 拓志 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 助教 (70344588)
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Keywords | 肥満 / アディポカイン / 細菌感染 / マクロファージ / 脂肪細胞 / ケモカイン |
Research Abstract |
【目的】肥満状態におけるアディポカインが免疫系に干渉することにより、種々の病態形成に関与するものと考え、本研究において、脂肪細胞および肥満モデルマウスを用いてアディポカインが免疫系にどのような影響を与えるかを解析し、肥満と免疫系との新しい相互作用を明らかにする。 本年度は前年度に引き続き、アディポカインのin vitroでの感染防御に対する作用を解析するとともに、in vivoにおけるアディポカインの免疫系に対する作用の解析を行った。 1. 脂肪細胞におけるリステリア感染によるアディポカイン、ケモカイン産生の変化 脂肪細胞にリステリアを感染させ、経時的にアディポカイン(アディポネクチン、レジスチン)およびケモカインの発現量を測定した。脂肪細胞にリステリアを感染させた際、感染2時間でアディポネクチンの一時的な発現上昇が認められた。一方、レジスチン、MCP-1は感染後発現が漸増していた。 2. リステリア感染肥満マウスにおけるアディポカインの作用の解析 肥満モデルマウスであるob/obマウスにリステリアを腹腔内感染させたところ、脾臓、肝臓、腸間膜リンパ節、脂肪組織において対照群と比較し菌数の増加を認めた。ob/obマウス脂肪組織において、リステリア感染後のアディポネクチン発現は対照群と比較し、発現が減少していた。一方で、レジスチンの発現量は増加していた。ob/obマウスにおいて、リステリア感染後の肝臓でのMCP-1発現量は減少していたが、腸間膜リンパ節、脂肪組織でのMCP-1発現は逆に増加していた。TNF-α産生量は、ob/obマウスの脾臓、腸間膜リンパ節増加していたが、脂肪組織では逆に減少していた。IL-6産生量は、ob/obマウスで対照群と比較し減少していた。 以上の結果より、肥満マウスにおける感染防御能の減弱には、脂肪組織におけるアディポカインの調節不全によるマクロファージの機能低下が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)