2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18790301
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森川 一也 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (90361328)
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Keywords | シグマ因子 / 黄色ブドウ球菌 / リステリア菌 / コンピテンス / 進化 / シグナル伝達 / 環境応答 |
Research Abstract |
1、SigHの活性制御因子を網羅的にスクリーニングする系を構築しスクリーニングを行った。当初はトランスポゾンライブラリーの利用を考えていたが、驚くべき事に、SigH活性化細胞は、トランスポゾン無しでも、非常に低い頻度で出現することが明らかになった。さらにそのような細胞は遺伝的に比較的安定であり、ゲノム配列の変化が原因であると考えられた。得られたミュータントの解析をいくつかの角度から行った結果、最終的にsigH遺伝子自身の変化が原因であることが見出された。変化したsigH遺伝子は元のサイズのSigHとはことなる大きさのSigH蛋白質を発現すべく変化しており、このことは抗sigH IgY抗体を用いたウエスタン解析によっても確認された。このような遺伝的な変換が、人為的な選択なしで生じているかどうかを、現在逆方向PCRを用いて検討しようとしている。いずれにせよ、新しい遺伝子活性化機構の手がかりを得ることができたと考えており、さらに詳細なメカニズムを追求していきたい。 2、コンピテンス活性を、SigH活性化細胞で検出するための実験を繰り返しているが、形質転換体は得られていない。一方、SigHが制御するある代謝系にっいて、遺伝子破壊株を作成して解析した。当該遺伝子群は通常の生育にも重要であり、SigH活性のない条件でも増殖速度の著しい低下が見られた。従って、SigH活性化がどのような局面において有利に働くかについてはまだ明確な回答が得られておらず、本年度も継続して解析していきたい。
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