2006 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌感染における菌体付着機構と代謝酵素発現制御因子との関連解析
Project/Area Number |
18790315
|
Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
中田 裕二 藍野大学, 医療保健学部, 助教授 (60388692)
|
Keywords | 緑膿菌 / 線毛 / 代謝 |
Research Abstract |
・定着因子である線毛の発現に影響を与える栄養素の検討 炭素源、窒素源となる基質の種類を変えた培地で菌体を培養し、線毛の主要なサブユニットの一つであるPilAの発現量の変化を調べることで、線毛発現と栄養条件との関連を解析した。 PilAの発現量を測定するため、pilAのプロモーター領域を野生株であるPAO1株からPCRにより得、lacZと融合させたプロモーターアッセイ用のプラスミドを作製した。PAO1株に導入し、基質を変えて培養した菌体でのβ-ガラクトシダーゼ活性を測定した結果、ヒスチジンで培養した場合コハク酸+塩化アンモニウム等、他の培地と比べ活性の低下が観察された。現在、引き続き基質の種類を変え活性測定を行っている。また、直接の応答因子であるPilR、窒素利用に関わる応答制御因子であるNtrC、炭素利用に関わる応答制御因子であるCbrBそれぞれの対応遺伝子欠損株を作製途中であり、それぞれの菌株についてpilAおよびpilBのプロモーターアッセイを行い、代謝との関連解析を進める予定である。 ・代謝酵素発現制御因子の制御機構解析 緑膿菌の代表的な代謝酵素発現制御因子であるCbrAB、NtrBCは、菌体付着因子である繊毛の発現制御因子(PilRS)と同じσ54依存性の2成分制御因子であるが、その詳細な制御機構は未だ十分に解析されていない。そこでヒスチジン代謝オペロンをモデルとした制御因子のDNA結合解析を行った結果、プロモーター上流に特異的な結合領域があることを10月に行われた日本細菌学会・関西支部会で報告した。また、緑膿菌のヒスチジン代謝についてPseudomonas Volume 5:A Model System in Biology(Springer)に共著執筆した。(印刷中)
|