2007 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌感染における菌体付着機構と代謝酵素発現制御因子との関連解析
Project/Area Number |
18790315
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
中田 裕二 Aino University, 藍野大学 医療保健学部, 准教授 (60388692)
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Keywords | 緑膿菌 / 線毛 / 代謝 |
Research Abstract |
緑膿菌の菌体付着初期において重要な因子である線毛の発現について、影響があるとの報告がある生育栄養条件、各発現制御因子との関係を解析した。 1.線毛発現制御因子および代謝発現制御因子破壊株の作製 線毛の主要な構成成分であるPilAの発現制御因子pilRの破壊株と、pilRと同じσ54依存性の2成分制御応答因子であり、緑膿菌の炭素源利用代謝酵素発現制御因子であるcbrB、および窒素源利用代謝酵素発現制御因子であるntrCの各破壊株、更にそれぞれとpilRとの2重破壊株を作製し、供試菌株とした。 2.線毛発現と生育栄養条件との関連解析 炭素源、窒素源となる基質の種類を変えた培地(コハク酸+塩化アンモニウム、グルタミン酸、ヒスチジン、アルギニン)で各遺伝子破壊株を培養し、Twitching Motility能(TM能)を測定した。その結果、TM能は生育速度に応じた値を示す結果となり、上述アミノ酸における培地成分の明らかな影響は見られなかった。pilR破壊株ではいずれの場合もTM能が完全に抑制された結果となった。 3.線毛発現と代謝発現制御因子との関連解析 栄養条件との関連について、PilAの発現量の変化を調べることでも解析を行った。昨年度作製した、pilAのプロモーターとlacZとを融合したプロモーターアッセイ用のプラスミドを使用し、各菌株における活性測定を行った結果、ΔpilRではグルタミン酸培地で野生株の1/15まで活性が低下した。また、cbrBとの二重破壊株で更なる低下が見られたことから、cbrBは線毛発現のマイナーな制御因子として関与している可能性が考えられる結果となった。他の栄養条件でも解析中である。
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