2006 Fiscal Year Annual Research Report
麻疹ウイルス感染モデルを用いた樹状細胞からの麻疹ウイルス免疫抑制機構の解明
Project/Area Number |
18790317
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新開 大史 北海道大学, 大学院医学研究科, 客員研究員 (80421981)
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Keywords | 麻疹ウイルス / 免疫抑制 |
Research Abstract |
本研究は麻疹ウイルス感染モデルマウスを用い、麻疹ウイルス感染時に起こる免疫抑制のメカニズムの解明に迫る。 麻疹ウイルス感染患者から採取された末梢血リンパ球はマイトージェン刺激(PHA)に対するT細胞の増殖応答が低下する事が知られており、麻疹ウイルス患者での免疫抑制の指標として用いられている。まず、このモデルマウスにおいてもヒトと同様に、免疫抑制が上記のアッセイで検出できるか否かを検討した。 各種Tgマウス(hCD46/hCD150 tg, hCD46 tg, hCD150 tg, non-tg, hCD46/hCD150 tg IFNARko, hCD46 tg IFNARko, hCD150 tg IFNARko, non tg IFNARko)に麻疹ウイルス(MV323)株を4×10^5PFU静脈内投与した。4日後、マウスの脾臓よりリンパ球を回収、PHAにて刺激した。^3H-チミジンの取り込みにてリンパ球の増殖を測定したところ、hCD46/hCD150 tg IFNARko,とhCD150 tg IFNARkoマウスにて有意にPHAに対する応答性が低下した。これらの結果より、免疫抑制は感染が成立するマウスでのみ起こることが示唆された。 さらに、リンパ球全体でなく、T細胞だけの応答をCD4陽性細胞、CD8陽性細胞をそれぞれMACSシステムにより分離し、解析した。いずれのポピュレーションもhCD46/hCD150 tg IFNARko,とhCD150 tg IFNARkoマウスにて免疫抑制が確認できた。 さらに、ウイルス感染をMV323GFP(GFP発現麻疹ウイルス)を使うことにより、免疫抑制が起こっているTリンパ球には麻疹ウイルスが感染していないことを明らかにした。 以上より、現在麻疹ウイルス感染モデルマウスにおいて、T細胞の免疫抑制がヒトと同様に起こるが、T細胞にはウイルスが直接感染していないことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)