2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790335
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
河野 洋平 東京医科歯科大学, 歯学総合研究科, 助手 (20401383)
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Keywords | プレB / B細胞 / BCR / pre-BCR / レパートリー / BLNK |
Research Abstract |
1.新規preBCRシグナル解析システムを用いた個々のプレB細胞におけるpreBCRシグナルの量的あるいは質的な相違の評価 生体に存在する個々のプレB細胞においてpreBCRシグナルの量的あるいは質的な違いがあるかを検証するため、我々はマウス骨髄プレB細胞から可変領域の異なるさまざまな膜型μH鎖遺伝子をレトロウイルスペクターにクローニングし、abl依存性プロB細胞株に導入したところ、SL鎖との会合能に相関して細胞表面上のpreBCR発現レベルが異なることがわかった。 2.preBCR発現レベルの異なる個々のプレB細胞の生存、増殖および分化能の評価(in vitro) preBCR発現レベルの異なる細胞株のabl依存性増殖をabl特異的阻害剤STI-571で処理したところ、細胞表面上のpreBCR発現量に比例して細胞生存、増殖だけでなくpreBCR下流のシグナル分子であるSykやBLNKのリン酸化が亢進していた。さらに、μH鎖欠損マウスの骨髄プロB細胞にpreBCR形成能の異なるμH鎖を導入して培養したところ、preBCR形成能力の高いプレB細胞ほど細胞分裂能が高く、分化マーカーであるCD2の発現やKL鎖陽性細胞の頻度が増加していた。これらのことから、B細胞分化初期段階ではpreBCR形成能の高いμH鎖ほどpreBCRを介した増殖、分化において優位性をもつことで、L鎖の発現以前に高品質のμH鎮を主体としたプレB細胞レパートリーが完成するものと考えられる。 2.BLNKを介したpreBCRの発現終焉におけるIRF-8の役割の解明 BLNK欠損マウスから樹立したpreBCR陽性プレB細胞株にBLNK-ERを発現誘導させたところ、preBCRの発現終焉がみられた。しかしながらその際に細胞内におよび核内のIRF-8の量的あるいはチロシンリン酸化などの生化学的変化は現在までに得られていない。
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