2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790338
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
張 明浩 大阪大学, 医学系研究科, 特任助手(常勤) (70420453)
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Keywords | 粘膜免疫 / 好酸球 / ケモカイン / 免疫調節 |
Research Abstract |
粘膜における免疫寛容、自然免疫反応および獲得免疫反応における好酸球の役割を明らかにするために次の研究を行った。まず、cell sorterを用いた細胞ソーティングにより小腸粘膜固有層から好酸球を単離、精製し、特異的に発現するケモカイン受容体をRT-PCR法により解析した。その結果、小腸粘膜固有層好酸球はCCR3とCCR9を高発現することが明らかになった。次に、タイムラプス観察法によりCCR3,CCR9リガンドに対する運動性について解析したところ、小腸粘膜固有層好酸球はCCL11とCCL25に対してdirectional migrationを示した。また、抗ケモカイン中和抗体投与により小腸への好酸球の腸管への動員は阻害された。これらのことから、小腸粘膜への好酸球の集積にはCCR3,CCR9を介したシグナルが必要であることが示唆された(投稿中)。次に、小腸粘膜固有層好酸球におけるTLR発現について解析した。RT-PCR解析の結果、小腸粘膜固有層好酸球はTLR4、TLR5、TLR9を発現し、なかでもTLR4の発現が最も高かった。さらに、LPS結合実験および抗TLR4/MD2抗体結合実験から、小腸粘膜固有層好酸球にはTLR4が蛋白レベルで発現していることが確認された。この結果に一致して、小腸粘膜固有層好酸球にLPS刺激を加えることによりサイトカイン産生が誘導され、特にTNFα産生なしにIL-6産生が促進された。これらのことから、小腸粘膜固有層に集積する好酸球は、自然免疫系と獲得免疫系の両方を活性化し、腸管を組織傷害から守る可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)