2006 Fiscal Year Annual Research Report
局所樹状細胞によるアトピー性皮膚炎病態制御の分子機構
Project/Area Number |
18790339
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河本 正次 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助手 (90294537)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 |
Research Abstract |
本年度では、アレルゲン経皮感作を基調とするアトビー性皮膚炎(AD)モデルにおける局所樹状細胞(DC)サブセットの検出および機能検定系を確立することを目指した。まず、従来in vivoプライミングされたDCの追跡に用いられる蛍光(FITC)標識抗原(FITC-OVA)を用いて経皮感作を行い、24時間後に皮膚所属リンパ節に遊走したFITC^+CD11c^+ DCをFACSにて検出したところ、その割合は2%前後と低い上に蛍光シグナルも弱く、本ADモデルにおける皮膚局所DCを追跡する上でFITCは不向きであることが判明した。そこで用いる標識色素など感作諸条件に検討を加えた結果、光安定性に優れたAlexa Fluor 488標識OVAを用いて再現よく当該Alexa^+CD11c^+ DCを検出できる条件を確立できた。本系にて、経皮感作24時間後には所属リンパ節DCのうち、実に約15%もの細胞がAlexa^+となっていることがわかった。 続いて本ADモデルの感作初期におけるAlexa^+ DC遊走の経時変化を追跡したところ、アレルゲン感作12時間後にはその割合がピークに達することが明らかとなり、72時間後においても当該DCの検出が充分可能であった。感作24時間後におけるリンパ節Alexa^+ DCサブセットを粗分類した結果、大半がCD11b^+ミエロイド系DCであること、一方興味深いことに、その中に、表皮の主要DCであるCD207^+ランゲルハンス細胞が全く含まれていないことが判明した。更に本Alexa^+ DCのCD86陽性率は6-7割程度に留まっており、顕著な割合の皮膚局所DCがアレルゲンを取り込みながらも、未成熟な分化状態を保ったまま所属リンパ節へと遊走してきている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)