2006 Fiscal Year Annual Research Report
NF-kB活性化を制御する新規標的CARMA1の機能発現部位決定と機構の解析
Project/Area Number |
18790347
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
篠原 久明 独立行政法人理化学研究所, 分化制御研究グループ, 研究員 (10391971)
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Keywords | BCR / NF-κB / CARMA1 / PKCβ / Bcl10 / TAK1 |
Research Abstract |
B細胞抗原受容体(BCR)が抗原を受け取ると細胞内にはシグナルが誘導される。誘導されたシグナルは多様な経路をたどり核内の転写因子Nuclear Factor-κB (NF-κB)を活性化する。活性化されたNF-κBはB細胞の活性化や、免疫応答に必要な遺伝子を発現させる。NF-κB活性化に関わる分子の欠損は免疫不全になり、逆に過活性は自己免疫、癌を誘導する。故に、NF-κBの活性化を誘導する特異的なシグナルの制御は重要な課題である。申請者は、BCR刺激により活性化したProtein kinase C β (PKCβ)がCARMA1をリン酸化すること、またこのリン酸化を受けたCARMA1がBc110やタンパク質キナーゼであるTAK1と会合しNF-κBの活性化を誘導する新規メカニズムを既に明らかにしている。 本年度は、PKCβによってリン酸化されると予測されるCARMA1のアミノ酸、セリン、スレオニンについてアラニンに置換し既に樹立しているCARMA1欠損DT40B細胞に遺伝子導入しNF-κBの活性化に必須であるセリン、スレオニンを見出し,CARMA1の機能発現に必要なリン酸化部位に対するリン酸化特異的なポリクローナル抗体を得た。これらからCARMA1はその中央部のセリンをPKCβによりリン酸化され下流シグナル分子を集積し、他のタンパク質キナーゼによりCARMA1のN末スレオニンのリン酸化を介しシグナルが増幅される機構まで明らかにした。
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