2007 Fiscal Year Annual Research Report
NF-kB活性化を制御する新規標的CARMA1の機能発現部位決定と機構の解析
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18790347
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
篠原 久明 The Institute of Physical and Chemical Research, 分化制御研究グループ, 研究員 (10391971)
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Keywords | NF-κB / B細胞抗原受容体 / シグナル伝達 / CARMA1 / IKKβ |
Research Abstract |
NF-κBの活性化はB細胞抗原受容体(BCR)を介したシグナル伝達により誘導されB細胞の活性化、分化及びその機能に決定的役割を担っている。故に、NF-κB活性化の機序を解明することは、自己免疫疾患、移植片対宿主病、アレルギーなど免疫関連疾患の治療を考える上で非常に有効である。BCRシグナルではプロテインキナーゼC (PKC)β、アダプター分子CARMA1、及びBcl10等がNF-κBの活性化に必要であることが知られているが、これらの分子がどのようにしてNF-κBの活性化をもたらすのか、分子機構の解明が待望されていた。申請者は、BCR刺激により活性化したPKCβがCARMA1をリン酸化すること、またこのリン酸化を受けたCARMA1がBcl10やタンパク質キナーゼであるTAK1と会合しNF-κBの活性化を誘導する新規メカニズムを明らかにしてきている (Shinohara H., et. al., J Exp Med.202,1423-1431、2005)。 今回の課題「NF-κB活性化を制御する新規標的CARMA1の機能発現部位決定と機構の解析」 では、PKCβによってリン酸化されると予測されるCARMA1のセリン、スレオニンについて変異導入DT40B細胞を用い、NF-κBの活性化に必須である部位、つまりCARMA1の機能発現に必要なリン酸化部位を明らかにした。CARMA1はその中央部のセリンをPKCβによりリン酸化され下流シグナル分子を集積、活性化を誘導するばかりでなく、下流のエフェクター分子、セリンスレオニンキナーゼIKKβによりリン酸化修飾を受ける。NF-κB活性化経路におけるIKKβによるシグナル増幅機構という新たなコンセプトを報告した。
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Research Products
(2 results)