2006 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システム(GIS)を用いた地域医療計画の評価に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18790351
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大場 久照 弘前大学, 医学部, 助手 (50419222)
|
Keywords | 地理情報システム(GIS) / 医療計画 / 受療動向 / 二次医療圏 |
Research Abstract |
(1)患者の移動選好度 平成13年青森県受療動向調査結果に基づき、二次医療圏での受療動向について、地域人口を考慮した患者移動指数PIを適用し、病院入院・外来別及び診療所における患者の移動選好度を測定しGIS上で分析した。その結果、西北五地域から津軽地域へのPIが病院外来、一般診療所、新生物及び呼吸器系疾患で約800と高く、上十三地域から下北地域へのPIも一般診療所及び呼吸器系疾患で約900と高い選好度を示した。 (2)受療行動モデルの構築 発生量制約モデルを用いて受療行動のモデル化を行いGIS上で分析した。分析には(1)でのデータを使用した。重回帰分析により到着地域の医療機関数による影響力を示す指標βと移動距離による影響力を示す指標γを推定し、両者の関係について検討した。その結果、青森県全体のモデルの決定係数は0,64と良好で、医療機関数と地理的距離で受療動向を予測可能であった。二次医療圏の青森地域と下北地域では医療機関数と距離よる影響が小さいことが明らかなった。青森県の受療行動に及ぼす影響は到着地域の医療機関数より移動距離による影響の大きいことが示唆された。 (3)患者の平均移動距離 患者がどのくらいの距離を移動して医療サービスを受けているのかを検証するために、GIS上で各市町村の病院入院・外来別、診療所及び疾患別の患者の平均移動距離を測定し、患者の医療機関へのアクセス性を分析した。分析には(1)でのデータを使用した。その結果、平均移動距離は、青森県全体で7.2km、二次医療圏別では津軽5.0km、八戸6.6km、青森5.5km、西北五11.0km、上十三9.5km、下北14.6kmであった。大部分の市町村で、外来より入院が、病院より診療所の方が長いことが明らかになった。疾患別では新生物に対する移動距離が循環器系、呼吸器系、消化器系疾患より県全体で約2倍長いことが示された。
|
Research Products
(6 results)