2007 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システム(GIS)を用いた地域医療計画の評価に関する基礎的研究
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18790351
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大場 久照 Hirosaki University, 大学院・保健学研究科, 助教 (50419222)
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Keywords | 地理情報システム(GIS) / 医療計画 / 受療動向 / 二次医療圏 |
Research Abstract |
(1)受療動向に基づいた二次医療圏別医療機能評価 青森県受療動向調査データを用いて二次医療圏を単位として青森県における医療機能を評価した。入院・外来別機能では、病院入院、病院外来、一般診療所を用い、疾患別機能では新生物、循環器、呼吸器、消化器の4疾患とした。解析手法は患者居住地からみた依存度エントロピー(E1)と医療機関所在地からみた診療圏エントロピー(E2)を定義して医療機関選択の不確かさと、医療圏における患者の分散傾向を評価した。病院入院では、青森圏のE2が大きく診療圏が広域で通院している医療機関選択の不確かさが大きかった。一方で、上十三圏と下北圏のE1が大きく、医療機関選択の不確かさが大きく他圏域に分散傾向にあった。疾患別では、新生物について青森圏と津軽圏のE2が大きく診療圏が広域で医療機関選択の不確かさが大きかった。一方で上十三圏と西北五圏のE1が大きく、医療機関選択の不確かさが大きく他圏域に分散傾向にあった。 (2)北海道、東北六県における医療資源の地域格差評価 北海道と東北六県の医療資源の地域格差を明らかにするために、二次医療圏を単位としてジニ係数を用いて医療格差を検証した。医療資源の指標には、厚生労働省の統計調査より、(1)医療従事者数(医師、歯科医師、薬剤師、看護師)、(2)医療機器台数(放射線治療装置、MRI、ヘリカルCT、SPECT)を用いた。二次医療圏の人口と面積を考慮した医療圏係数を開発し、ジニ係数算出のための基礎データとした。ジニ係数が全体的に高いのは北海道と宮城県であった。特に、医師・歯科医師と放射線治療装置について顕著であった。東京都においても放射線治療装置とSPECTでジニ係数が北海道や宮城県と同様に高い値を示した。一方でジニ係数が全体的に小さいのは岩手県であった。医療従事者別では看護師が、医療機器別ではMRIの格差が全体的に小さかった。
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Research Products
(5 results)