2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤師の倫理観に基づくコミュニケーション資質向上のための研究
Project/Area Number |
18790358
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
川村 和美 Meijo University, 薬学部, 非常勤講師 (10424946)
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Keywords | 倫理 / コミュニケーション / 薬学 / 教育 / モラルディレンマ / プロフェッショナリズム |
Research Abstract |
本研究は, 薬剤師の倫理とコミュニケーションの関係について引き続き探求してきた。本年は平成19年度に実施した薬剤師, 薬学生ならびに看護学生の職業意識と倫理に関する調査結果の分析を行い, 薬剤師の倫理観とプロフェッショナリズムの関係を明確化に努めた。医学教育を担当している医師とのシンポジウムや合同勉強会の企画・開催を行なって, なぜ医師と薬剤師, 患者がわかりあえないのか意見交換する座談会の機会を設けたり, 多職種参加のワークショップに積極的に参加して, 臨床倫理の諸問題を解決するトレーニングを積んで, 薬剤師のプロフェッショナリズムを模索した。また, 2008年から執筆してきたモラルディレンマを書籍化すると共に, 新たなケース検討法のッールとして本研究において開発・使用してきた5分割表の理論化を試みた。ケース・アプローチにおける5分割表の活用により, 患者QOLの正しい理解と測定が極めて重要であることがわかり, WHOもQOLの測定方法の1つとして認めている, アイルランド王立外科大学で開発されたSEI-QoLの理解・習得に努めた。薬剤師に限らず, 医療従事者が職務上のモラルディレンマを解決するには, 「他者との関わりの仕方=コミュニケーション」が極めて重要な位置づけにある。本研究を通じて, コミュニケーションの根幹には倫理が脈々と息づいていると確信した。本研究は今年度で終了するが, 倫理とコミュニケーションの関係性について, 調査研究を進めていきたい。
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Research Products
(25 results)