2006 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化症における血中ニトロチロシン含有リポタンパク質測定の臨床的意義
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18790370
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
臼井 真一 岡山大学, 医学部, 助手 (50346417)
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Keywords | ニトロチロシン / リポタンパク質 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
今年度の研究計画に沿って、「ELISAによる血中ニトロ化リポタンパク質測定の確立」を中心に研究を進めた。ELISAで用いるニトロ化標準物質は、超遠心法で分離したリポタンパク質をペルオキシナイトライト処理して調製し、SDS-PAGE後のウエスタンブロッティングで確認した。その結果、リポタンパク質がニトロ化されていること示す有意なバンドを得ることができたが、検出バンドはブロードであった。このため、ヘミン、ミエロパーオキシダーゼなど他のニトロ化試薬を導入して検討を行ったが問題の解決には至らなかった。しかし、アガロース電気泳動後のブロッテイングでは、リポタンパク質の位置に一致してニトロチロシンを検出でき良好な結果が得られた。ELISAでのニトロ化リポタンパク質測定では、捕捉抗体に抗アポB抗体(または抗アポA1抗体)を使用し、検出にはビオチン標識抗ニトロチロシン抗体を用いた。また、血中総ニトロチロシン測定では、捕捉抗体および検出抗体に抗ニトロチロシン抗体を使用した。いずれの場合も血清サンプルのシグナルが極めて小さく、ブランク値付近の値で検出できなかった。ニトロ化標準物質の測定値もモル吸光係数から算出した測定値と相関が認められなかったことから、使用した抗体の特異性に問題があると考え、数社より市販されているモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を使用し、さらに、非特異的反応の影響を考慮して、サンプル希釈液やブロッキング液組成も検討に加えたが大きな改善は認められなかった。現在、ELISA競合法による測定系にて検討を継続している。また、ニトロ化ウシ血清アルブミンを抗原にしたニトロ化リポタンパク質自己抗体検出の検討では、有意なシグナルを検出することはできなかったが、今後、ニトロ化リポタンパク質やニトロ化アポリポタンパク質などに抗原を変更して検討する必要がある。
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