2006 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性のメカニズムの解明、性差からのアプローチ
Project/Area Number |
18790378
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
豊島 めぐみ 京都大学, 医学研究科, 助手 (80423052)
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Keywords | 糖尿病 / 性差 / 視床下部 |
Research Abstract |
我々は、以前にIns2遺伝子に変異をもつAkitaマウスを糖尿病モデルマウスとして確立し、その病態に性差が存在することを報告してきた。さらに、Akitaマウスの雄は雌に比べて摂食量が著しく亢進している。そこで、性差と摂食量との関係を調べるため、去勢による影響を調べた。 Akitaマウス雄では、精巣除去により摂食量の減少、さらには、血糖値の低下がみられた。テストステロン投与実験より、Akitaマウス雄では、テストステロンによる摂食亢進が血糖値の上昇に寄与することを明らかにした。一方、Akitaマウス雌でみられる摂食亢進は、卵巣除去による影響はみられなかった。 これら摂食亢進のメカニズムを調べるため、末梢から分泌される摂食調節因子について調べたところ、Akitaマウス雄において、摂食抑制因子であるレプチンが有意に低下し、この値は精巣除去により回復した。Akitaマウス雌では、差がみられなかった。さらに、摂食調節中枢の視床下部神経ペプチドの発現レベルを調べたところ、Akitaマウス雄では摂食抑制因子であるPOMCの低下、摂食促進因子であるNPYの上昇がみられた。一方、Akitaマウス雌では、摂食抑制因子であるCART,CRFの発現レベルの低下がみられた。この結果より、Akitaマウスでみられる、摂食亢進の調節メカニズムには性差がみられることが示唆された。この結果をまとめ、Biochem Biophys Res Commun.に報告した。
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