2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジア開発途上国の子どもの成長の縦断的解析と関連環境要因の成長段階特異性の解明
Project/Area Number |
18790394
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関山 牧子 The University of Tokyo, サステイナビリティ学連携研究機構, 特任助教 (90396896)
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Keywords | 西ジャワ / 子ども / 成長 / アジア途上国 / 公衆衛生 |
Research Abstract |
●本年度は、現地調査を実施できなかったため、初年度に収集したデータ(西ジャワ農村部の4集落、及び都市部の1集落において、小学校高学年の学童250名とその兄弟、父母を対象とした身体計測と食物摂取頻度調査、及び、農村部の1集落の18世帯を対象とした食事調査と活動調査)の解析を進めた。以下が明らかとなった点である。 ●学童の39%がHAZ<-2のstunting、44%がWAZ<-2のunderweightであり、成長遅滞が確認された。Stuntingについてはその割合が農村部で有意に高く、HAZ、WAZの平均値についても都市部が有意に良好であった。食物摂取頻度調査の結果、都市部は農村部よりも鶏肉や海水魚の摂取頻度が高く、良質なタンパク質の摂取量の違いがこのような発育の差に寄与していることが示された。また、食事調査の結果、農村部の学童はタンパク質、ビタミンA、カルシウムの摂取量が不足しており、これらの負荷によって成長が遅滞していることが考えられた。 ●成人男性の8割、成人女性の6割が、BMI=18.5〜24.9のnormalに相当した。BMIが25以上のoverweight/obeseであったのは、男性で8%に過ぎなかったのに対し、女性では35%と高値であった。成人女性の肥満率は、インドネシアにおける先行研究に比しても高く、農村女性において肥満が問題化していることが明らかとなった。また、成人の栄養状態に見られた顕著な性差は、エネルギー・栄養素摂取量よりもむしろ、身体活動量の差に起因することが示された。さらに、成人の栄養状態について社会的属性による差を検討したところ、男性は職業によって有意差が見られた。すなわち、商業やサービス業に従事する男性は、農業やその他賃労働に従事する男性に比し、体重及び体脂肪率が有意に高く、この差は、エネルギー・栄養素摂取量と身体活動量の両方の違いによってもたらされると考えられた。西ジャワ農村部は、近代化と人口増加に伴い、就業形態が変化しており、その健康への影響を今後モニタリングしていく必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Development of enzyme immunoassay for detection of DDT.
Author(s)
Hirano M, Kitamura K, Kato I, Yanaihara C, Iwamoto K, Sekiyama M, Watanebe C, Nakamoto T, Miyamoto N, Onishi Y, Arizono K
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Journal Title
J. Environ. Sci. Health, Part B-Pesticide, Food Contaminants and Agricultural Waste. (In press)
Peer Reviewed
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