2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア二国における計画外妊娠のケースを対象とした育児支援プログラムの実践と評価
Project/Area Number |
18790400
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
後藤 あや 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00347212)
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Keywords | 育児 / 計画外妊娠 / ベトナム / 母子保健 / 国際保健 |
Research Abstract |
1.結果 1)2国間比較 育児支援プログラムの目的が前向きな育児であることから、平成16・17年度縦断研究のデータを用いて、対象2国における「育児の自信」について分析した。育児の自信が「ない」割合が日本では48%、ベトナムでは63%と高く、日本では計画外妊娠、初産、主婦が、ベトナムでは高学歴が関連していた。 2)須賀川市 育児支援プログラムの研修を保健師1人が受講し、試験的に2期実施した。参加者数は前期7人、後期6人だった。前期の評価結果、フェーススケール(QOL)が有意に改善した。育児の自信が「ある」は0人から2人に増加したが、自己効力感に変化は見られなかった。参加者による教室評価では、子育ての考え方が前向きになり、教室が役に立ったとほぼ全員が回答した。 平成18年6月より対象者をスクリーニングするためのアンケートを、赤ちゃん訪問および3・4ヶ月健診時に開始した。同年9月までに回収した110人分のデータを用い、スクリーニング指標のカットオフポイントなどを検討した。また、「育児の自信」は母親のQOL、産後うつ、自己効力感に有意に関連することが明らかになった。 3)ホーチミン市 現地研究協力者2人が平成18年8月27日-9月1日に来日して、須賀川市の育児支援プログラムを見学し、研究計画について検討した。 平成19年2月8・12日にホーチミン市医科薬科大学小児科外来の乳児健診にて、須賀市同様のスクリーニングの予備調査を実施した。940人に協力を依頼し、拒否はいなかったが、1ページ以上未記入が15人、本人以外の記入が2人いた。乳児健診は半日で150人程度を医師2人で診察しており、現状に合わせたスクリーニングの簡素化と小児科医との連携強化が必要である。 2.今後の方向性 須賀川市では対照群を設けたプログラム評価を実施する。ホーチミン市では育児困難のスクリーニング方法の検討を進める。
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