2007 Fiscal Year Annual Research Report
在宅障害児の母親の育児負担感軽減のための実証研究-障害者グランドデザインの検証
Project/Area Number |
18790402
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
松澤 明美 Ibaraki Christian University, 看護学部, 助手 (20382822)
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Keywords | 在宅障害児 / 母親 / 育児負担感 / 障害者自立支援法 / 在宅サービス / 家族介護者支援 / 家族看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害者自立支援法下における在宅障害児の母親の育児負担感とサービス利用の影響を明らかにし、支援のあり方について検討することである。方法としては3施設((1)国立病院短期入所事業登録者(2)大学病院小児科外来(3)小児神経クリニック外来)を利用する在宅障害児の母親へ無記名自記式質問紙調査を実施した。調査票は対象者を匿名化して配布し、郵送にて回収した。調査内容は児・母親の基本属性、疾患、医療的ケア、母親の学歴・職業、収入、家族機能、育児負担感(PSI: Parenting Stress Index又ZBI: Zarit Burden Interview)、サービス利用、制度への意見等であった。分析は単純集計の上、記述し、さらに育児負担感や制度への評価により2群に分け、影響要因をWilcoxson順位和検定、χ^2乗検定等を用いて比較した。結果、対象者170人の基本属性では児は18.4±12.0歳、多かった疾患は自閉症(23%)、脳性麻痺(15%)であり、母親は48.2±11.8歳であった。育児負担感の高い群と低い群の比較では、負担感の高い群は低い群に比べ、児の問題行動があり、家族機能、収入、サポートが低かった。自立支援法になり、サービス利用が変化した人は約3割で、そのうちサービス量が減った人の理由は「費用が高い」であった。自立支援法への転換に対する質問では「育児が楽になったか」で「どちらともいえない」60%、「きつくなった」、「大変きつくなった」が27%であった。また「この制度をどう思うか」では「よくない」、「全くよくない」が46%であり、自立支援法に対して改善を希望する内容では「自己負担額の軽減」が47%で最も多かった。自由回答では育児やサービス利用の情報不足との意見も多かった。今後も制度改正が予想されるが、利用者の更なる実態把握と評価に基づくサービス利用システムの構築が求められている。
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