2006 Fiscal Year Annual Research Report
データマイニングによる院内感染サーベイランスの評価とアウトブレイクの効果的検出
Project/Area Number |
18790406
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
須賀 万智 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30339858)
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Keywords | 院内感染 / サーベイランス / データマイニング |
Research Abstract |
厚生生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業において、全国数十の医療施設から院内感染の発生状況を把握するデータが収集されている。しかし、臨床現場が求めているような具体的な実際的な情報の還元がおこなわれておらず、そのための疫学的評価システムの構築が要望されている。本研究の目的は、院内感染サーベイランスにデータマイニングを応用して、院内感染サーベイランスの評価とアウトブレイクの効果的検出を実現する疫学的評価システムを構築することにある。 本年度は既存の文献のレビューから院内感染サーベイランスにデータマイニングを応用した事例、院内感染サーベイランスにおいてアウトブレイクを検出した事例を調査した。また、院内感染サーベイランスの大規模コホートデータ(ICU入室患者を対象にしたもの)を収集して、基礎になるデータベースを構築した。 統計学的解析からえた結果として、以下を報告した。 1.院内感染は死亡の増加や入院の延長をもたらすが、院内感染患者が敗血症を併発すると、これら医療負担が増大することを示した。非感染患者を1とした標準化死亡比は敗血症を併発しない院内感染患者で1.18(95%信頼区間:0.82-1.21)、敗血症を併発した院内感染患者で2.43(95%信頼区間:1.88-3.09)であった。生存者の平均在室日数は非感染患者で3.8日、敗血症を併発しない院内感染患者で11.8日、敗血症を併発した院内感染患者で15.0日であった。 (Environmental Health and Preventive Medicine 2006) データマイニングの適応事例として、以下を報告した。 2.ニューラルネットワークを用いて、従来法(多重ロジスティック回帰)よりも予測精度が優れた予測モデルを構築した。 (IMECS2007発表) 3.ニューラルネットワークを用いて、時間軸上のイベントを考慮した予測モデルを構築した。 (MEDINFO2007発表予定)
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