2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790407
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
笠松 慶子 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 講師 (90296385)
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Keywords | 社会医学 / 健康管理 / 月経周期 / 作業効率 |
Research Abstract |
女性労働者に対する社会的な支援の必要性を推進するポジティブ・アクションが行われ,社会一般や企業の女性労働者に対する意識は大きく変化し,女性労働者の雇用管理面での配慮はなされつつある.しかし,雇用管理面においてそれ以外の女性特有の生理特性に関する支援や施策は十分でないのが現状である.特に,月経周期を考慮した労働負担とその効率性についてはまだ明確な知見は得られていない.この月経周期を考慮した労働負担とその効率性における知見を得ることにより,女性労働者の労働安全衛生管理システムを構築することが可能となる. そこで,本研究では労働負担の中でも精神負担を取り上げ,月経周期が精神負荷作業に及ぼす影響を月内変化の連続的データを用いて検討する.その作業効率と月経周期との関係性を定量的評価により明らかにすることにより,月経周期を考慮した作業・健康管理システムを構築することを目的とする. 本研究は2カ年計画で行うが,初年度である本年度の実績概要を報告する.被験者としての条件を満たす女性を個別面談にてスクリーニングし,月経周期を把握するため基礎体温の測定と同時に月経随伴症状の調査を3ヶ月間行った.基礎体温測定の結果から,規則正しい月経周期でない被験者および実験に協力的でない被験者にはこの時点で実験対象から除外した.実験対象となった被験者については,引き続き基礎体温の測定と月経随伴症状の調査を継続して行った。また,実験システムの設計と開発を進め,予備実験として数名の被験者に実験を実施し稼動確認を行った.実験課題としては,精神負荷作業として単純反応作業と思考作業の2種類を用いる.実験時間は,各作業5分間程度とした.また,被験者には充分な習熟を確認した後,実験を実施することとした. 現在,実験対象となった被験者全員に対して,実験を実施し,データを収集し,整理している.来年度は,引き続きデータを収集,整理し,解析を行い,作業効率,基礎体温および月経随伴症状との関連性について検討する.さらに因子分析を用いて作業効率と関連のある因子を抽出する予定である.
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